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5歳未満児の死亡数 年間690万人に減少  ユニセフが最新の統計結果を発表

ユニセフが発表した世界の5歳未満児死亡の最新推計値によると、1990年時点で年間1,200万人以上だった5歳未満児の死亡数は、2011年には年間690万人に減少したことが分かった。

◆5歳未満児の死亡数、過去21年間でほぼ半減。一方で、一日に失われる命は今なお約19,000人
この推計によると、1990年時点で年間1,200万人以上だった5歳未満児の死亡数は、2011年には年間690万人に減少。5歳未満児の死亡数は1990年に比べ着実に減っており、1990年時点と比較すると1日あたり14,000人の幼い命が守られていることになる。一方で、今なお、予防可能な病気なども含めて1日あたり約19,000人の命が失われており、現在のままでは「2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準から3分の2削減する」というミレニアム開発目標4を達成するにはまだ十分ではない。

◆5歳未満児死亡率は、過去21年間で約3分の1以上削減
1990年時点で出生1,000人あたり88人であった5歳未満児死亡率は、2011年には出生1,000人あたり51人となり、1990年と比較して約3分の1以上削減されたことになる。

地域別では、ラテンアメリカとカリブ海地域、東アジアと太平洋地域、中欧・東欧・独立国家共同体(CIS)地域、中東・北アフリカ地域では50%以上の5歳未満児死亡率の削減が実現した。サハラ砂漠より南のアフリカ地域(以下、サハラ以南のアフリカ)では、他の地域より、5歳未満児死亡率が高いものの、1990年に比べ、39%の削減を実現した。

■1990年から2011年までの間に、5歳未満児死亡率が最も削減された上位5カ国
ラオス(-71.6%)、東ティモール(-69.9%)、リベリア(-67.5%)
バングラデシュ(-66.9%)、ルワンダ(-65.4%)
※上位10カ国のうち6カ国がアジア、4カ国がアフリカ

■5歳未満児死亡率が高い上位5カ国(2011年/出生1000人あたり)
シエラレオネ(185人)、ソマリア(180人)、マリ(176人)、チャド(169人)
コンゴ民主共和国(168人)
※5歳未満児死亡率が高い国の多くは、紛争などで非常に不安定な状況にある国々

■5歳未満児死亡数が多い上位5カ国(2011年)
インド(165万5,000人)、ナイジェリア(75万6,000人)
コンゴ民主共和国(46万5,000人)、パキスタン(35万2,000人)、中国(24万9,000人)
※5歳未満児の死亡は、サハラ以南のアフリカと南アジアに集中
※日本は4000人

■5歳未満児死亡率が低い国上位5カ国(2011年/出生1000人あたり)
シンガポール(2.6人)、スロベニア(2.8人)、スウェーデン(2.8人)、フィンランド(2.9人)、キプロス(3.1人)
※日本(3.4人)は第8位

生まれた地域や国、場所(都市部か農村部か)、世帯の収入、母親の教育レベルは、子どもたちの命を大きく左右する。しかし、どこに生まれても命は等しく、育まれなければならない。

ユニセフは、パートナー機関と共に、子どもたちの命を守る取り組みをさらに促進するため、「子どもの生存を守る:新たな約束(仮訳:COMMITTING TO CHILD SURVIVAL:A PROMISE RENEWED )」というキャンペーンを繰り広げる計画。子どもの死亡を大幅に防ぐための知識と手段はすでに存在している。世界がこれらを実践し、積極的に子どもたちの命を守っていくよう呼びかけ、ユニセフとしても、5歳未満児の死亡率が高い国々、死亡原因の高い疾病や原因に焦点をあて、同時に、支援が行きわたっていない子どもたちにも配慮をしながら事業を推進していく。

■日本ユニセフ協会について ■
公益財団法人日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間としてユニセフを代表する唯一の組織として、ユニセフ活動の広報、政策提言(アドボカシー)、募金活動を担っている。(http://www.unicef.or.jp

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